幻想世界の「ブティック」 〜ファンタジー脳と現代脳?〜

あからさまに釣りっぽいタイトルですが、別に両者の対立を煽るわけじゃありません(笑)


アリアンロッド【オゼロンの魔術師】第8回セッション「会議は踊る」の後、ハーミイ役のPL・わにさんがこう話していたそうな。
「ファンタジー世界の中で”ブティック”がごく当たり前に登場したことに衝撃を受けた」……と。
セッション内でパーティーの衣装を買いに街へ行くシーンがあったんですが、ナイアを演じる自分は何の躊躇もなく「ブティック」という単語を口に出してたんですね。言われてみればたしかに、普通のファンタジー世界なら「仕立て屋」あたりに行くのが常識的で、ブティックなんか存在しない!かもしれません。
でもまあエリンディルは錬金術師やエルダの遺産みたいなオーバーテクノロジーが山ほど出てくる世界だし、地下鉄が走ってる街もあるくらいだから、構わないや……と。
実際、わにさんもGMも自分の発言を責めてるわけじゃなく、「現代人的・オタク向けメディア*1的な感覚をそのまま持ち込んで遊べるアリアンみたいな世界も便利で面白いなあ」という話に帰結するのでしたとさ。そして、こうしたギャップに敏感なわにさんの「ファンタジー脳」的なセンスに感服。
ここまで極端でなくとも、暗黙のうちに現代的な概念や思想が組み込まれているプレイスタイルは案外多いんじゃないかと思います。「民主主義」や「男女平等」も比較的新しい概念だし、某SNEのファンタジーTRPGにも「遺伝」の概念が出てきたりするし*2。プレイヤー間で「幻想世界」の認識に対するコンセンサスが曖昧な場合は、こういった要素を目くじら立てずに受け入れてしまうのも一つのスタイルでしょうね。


とはいえ、ゲームシステムや背景世界ごとに求められる常識や思考方法は異なるわけで。GMが明確なコンセプトを示し、世界観を統一して遊ぶセッションも有意義だと思います。
今週末に遊ぶ予定のローズ・トゥ・ロード「アイーノの悲劇」では、現代人的・アニメ・ラノベ的な思考法を極力排して「幻想世界ユルセルーム」に没頭しよう……というのがセッションテーマの一つになっています。きっちり頭を切り替えて頑張ろう〜(と自分に釘を刺す)。


(※)付記:コメント欄でばらもすが色々補足してくれたので、併せて読んでもらえると嬉しいです。「現代人的思考を意識的に組み込んだファンタジー系システム」の話とか、『ダブルクロス』のステージ制と世界観の切り分けとか、きくたけリプのワンパターンが持つ長所とか、このエントリ本文よりも充実した内容です(笑)。多謝♪

*1:お約束に則った漫画・アニメ・ラノベ・ギャルゲー等。

*2:ソードワールドRPGチェンジリングや、ボックス版ウィザードリィRPGサプリメントに出てきた混血作成ルールなど。