アリアンロッド・リプレイ、新刊2冊読了。



最重要ネタバレを見てしまった後で読みましたが、それでも凄まじい衝撃を受けました。
「みっしょん06」終盤の盛り上がりは異常。TRPGゲーマーのみならず、ラノベ好き・ファンタジー好きには問答無用でオススメの1冊です。
詳しい感想はもう暫く後で書きますが、差し障りのないところで幾つか並べると……

  • またもや無印シリーズから参戦してきた「あの人」が素晴らしい存在感を発揮。PCとの交渉シーンも当意即妙で、こういう「知識に依らず賢い」キャラを魅力的に演じられるGMの技量に感嘆。
  • 八月のオリジナルスキル《トリプルクリック》燃え。このシーンが観たいから、ルージュシリーズのアニメ化希望。
  • 七月ステキすぎ(笑)
  • ゴウラ激燃え。あんなコトしておきながら不思議と憎めないのがまた凄い。



……で、今回はルージュ3巻と同時発売の「アリアンロッド・リプレイ ハートフル 聖雪のキャンパス」をメインで紹介してみます。



正統派ヒロイックファンタジーの「無印」「ルージュ」とは趣を変え、魔法学園物として企画された新リプレイ。著者およびGMは無印フェルシア役の久保田悠羅さん。
一応シリーズ化への布石も打ってますが、1冊の中で最低限のストーリーラインは収拾されているので、仮に打ち切られても納得のいく読後感です。*1
正直言うと(個人的には)ルージュ3巻の方が面白かったんですが、あえて同時発売で人気シリーズとは全く違う方向性を打ち出したのは評価できると思います。公式リプレイは良くも悪くも「そのシステムを使った遊び方のお手本」になりやすい特性を持っているので、方向性の異なる複数のリプレイでプレイスタイルの幅を広げてみせるのは良いことですね。なおかつ、「ギルドルールを軸にしたPC同士の連帯」「ダンジョンアタック」などシステム上のツボもきちんと押さえているので、各リプレイの相違点と共通点を意識しながら読み比べると面白いです。


内容的には、ソツのない優等生的なリプレイという印象。PC4人を男女それぞれ先輩組・後輩組に分け、立ち位置を明確に分けたのが秀逸です。アドリブで出てきたギルドマスターの決定理由も、説得力ありすぎで感心。
シナリオの組み立て方や舞台にリアリティを添える薀蓄など、きくたけリプよりは矢野王子の「ダブルクロス・オリジン」シリーズにノリが近いかも?
ただ、「清純派」「三下」等の”読者から見た各キャラの立ち位置”を意識したPL発言が多すぎて、物語への没入感を損なっているのが少々気になりました。
あと、今回はシナリオ的にもPLの力関係的にも(笑)女性陣の印象が強かったので、続刊が出るとしたらヴァリアス&カッツの奮起と活躍に期待。

*1:念の為:「打ち切られても当然」という意味ではなく、「短いながら綺麗に纏まってるなあ」という意味で。