メタファの話と、シーンイメージの創造・伝達(解題)

「オゼロンの魔術師」ログ第6話「Lance&Faith」をアップしてからだいぶ時間が開いてしまいましたが(セッション終了から数えると3週間近く経ってる……)、今回は「メタファによるシーンイメージの創造と伝達(予告編?)」の続きです。


とは言っても、前回の時点で既に大きな思い違いをしていました。「メタファ(隠喩)によるシーンイメージの提示・解釈」と「PL発案によるシーンの提示・伝達」は別々の問題であり、切り離して考えたほうが良かったんですね。コメント欄で内輪議論した結果、自分が2つの話題を混同していたせいで話がややこしくなっていたのに気付きました。


そんなわけで、まずはメタファの扱いについて前回の訂正。


「メタファや抽象的なシーンイメージを提示する場合は、むしろ受け手しだいで多様・多重・多義的な解釈が生まれる可能性を持たせたほうが面白い


ローズ・トゥ・ロード』のシナリオにも、この種のシチュエーションが昔から存在するのだそうな。この場合は、イメージを提示した側(主にGM)が正解を定めず、受け手の解釈や反応によって以後のストーリーが分岐・変化するような仕掛けにしておくことで、PLの発想力がGMも予想しないような展開を生み出すことになります。
なので、一般論としては「シーン提示者がメタファの意味を一つに絞る必要はない」ということ。


ではオゼロン第6話の場合、このシーンで何が流れを止める原因になったのか?*1といえば、問題は全く別の部分にありました。
というのも、このセッションはPL自身がキャンペーンの結末を考え、演出するという目的の下に進められ、その結末を導く上で「白と黒の薔薇」が重要なPL発案シーンになったからです。
具体的には「シーンの発案者が何をやりたいのか?どんな方向に話を進めたいのか?」という意志表示を周りが待ち・望み、それがナイアの台詞によって補足されることにより再び話が流れはじめた……というわけです。シーンの提示者自身がストーリーを特定方向に動かそうという意志を持っているなら、まずはそれを明示すべきということですね。


(以降、ログのネタバレを含みます)
当該箇所は第6話ログのミドルフェイズ07、セッション内の時刻で言うと17:10から。
実際、シーンの意図が伝わった後では、自分が示した「白と黒の薔薇」のメタファは他のPLによって多義的な解釈を与えられ、ストーリーに深みを与えています。


手前味噌になりますが、このシーンのポイントはPLが「ラスボスの本心」や「過去の真相」をでっちあげ、世界そのものを改変してしまったこと。普通なら、あくまでPCの立場や心境から「相手をどうやって説得するか(あるいは倒すか?)」という思考になってしまう……と。
これ、実はセッション終了後にGMから指摘されて初めて気付きました(笑)。どちらかといえば今までPLよりもGMをやることが多かったので、半ば無意識的に「GM的な視点からPCシーンを発案し、物語を動かす」ことができたのかもしれません。
でも、それを言うなら、こんな大胆なことができる卓も滅多にないわけで。TRPG仲間に恵まれたことを心から感謝します♪

*1:どちらかといえば、それ以前の部分でペース配分の読み違えがあったけれど。