メタファによるシーンイメージの創造と伝達(予告編?)

(※11/12追記)
この記事は筆者の思い違いにより、話の焦点が若干ズレています。コメント欄の議論で大幅に補足されていますので、あわせて御覧下さい。


今回はネタバレ絡みでまだ具体例を開示できないので、覚え書き的に。とは言っても、勘のいい人なら要点だけで理解できる話だと思います。


シナリオのテーマやメッセージ、NPCの心理描写などを風景や天候などで抽象化して表現し、PLに読み取ってもらう……というメタファ(隠喩)の技法は、小説や映画に慣れ親しんでいるGMならお馴染みだと思います。時と場合によっては、PL発案のシーンでも同じことが可能ですね。
その際に気をつけたいのは、イメージに隠された表現者の意図がPLに正しく伝わらなければ意味がないということ。どんなに装飾を凝らした美しいシーンを演出しても、難解すぎてスルーされたり誤解されてしまっては、物語としての精度を落とすことになります。
具体的には、

  • 比喩表現は可能な限り単純化し、読み取りやすくする
    • 最低でも、そのシーンが誰/何に関わる比喩であるか伝わらなければアウト
  • 一つのシーンに複数の意味を盛り込んだり、解釈が幾つも発生するような比喩表現は避ける
    • シーンとテーマは1対1で対応させるのが望ましい
    • PLの解釈によってストーリー展開が分岐するよう、あえて複雑化・多義化する手もアリ
  • 周囲の反応が芳しくない場合、露骨にでもいいから説明を付け足して理解を求める

……という具合。
「オゼロンの魔術師」第6回(現時点では当該ログ未公開。早めに編集してアップしますー)では、幸いにもPL発案シーンでこの技を使って大胆に話を動かすことができたんですが……一つの場面に複数の装飾表現を使ってしまったせいで、他のPLが真意を読み取れなくて困惑するという事態が生じました。
この時は、自分のPCの口から「その風景に対する印象」を語らせることによって、半ばマッチポンプ的に(笑)説明を付け足して理解してもらえました。それでも、やはり要素を単純化した方が伝わりやすかったなあ……と思うわけで。普通のセッションでGMがシーンを提示する場合は、自作自演で補足するのは難しいでしょうから、なおさら気をつけた方が良さそうです。


具体的な話は第6回のログ公開後に続けるとして、今回は問題編で締めてみます(笑)。


最も篤い信頼で結ばれていたはずの騎士によって命を絶たれ、怒れる魂を厳重に封じ込められていた「オゼロンの魔術師」が眠る古城。
魔術師と対決すべく進み続けるうちに、ナイアは気付く。住む者が絶えて久しい荒れ果てた城のいたるところで、白と黒の薔薇がつつましく咲いていることに……。



このシーンの鍵になるのは、もちろん「白と黒の薔薇」。
発案者であるナイアの中の人(自分のことですが(笑))は、どんなメッセージを込めていたのか? 他のPLは、このシーンからどんな意味を読み取ろうとしたのか? どうして伝達が滞り、どのように軌道修正したのか? そして、物語の結末に対する影響は……?といったところで、一旦お開き。