ガンスミスの憂鬱

ちなみに「強さ論議」は、前提となる戦闘バランスが鳥取によって大きく異なるから難しいですよね。単純なダメージ効率の最適解を求めても、実戦で役立たなければ机上の空論にすぎないわけで。
考慮すべき材料は「MP効率」「鳥取における平均的な戦闘ラウンド数」「同じく、1シナリオ中の平均戦闘回数」「パーティー人数と役割分担」などなど多岐にわたるので、暇を見てそれぞれに言及してみようと思います。

さて、今回は手始めに戦力評価の例として「アルケミストの銃使い」を取り挙げてみましょう。
アルケミストの《ガンスミス》は愛用者が多いですが、実際には弱スキルであるという烙印を押されています。まず《ガンスミス》で取得できる銃の利点はといえば……

1)とにかく射程が長い。70m離れた敵なら2〜3ラウンドは一方的に攻撃できる。
2)お金やMPを使わずに、それなりの攻撃力を確保できる。1シナリオの戦闘回数が多ければ多いほど有利。また、資金繰りの厳しい卓では特に重宝する。

ぱっと見、なかなか強そうです。しかし実際に使ってみると、利点よりも欠点のほうがハルカに多くなってしまっています。

1’)実際の戦闘において「射程の長さ」を有効利用できる場面は極端に少ない。遭遇時の距離が5〜20m程度に設定されることが多く、また毎回70m遭遇ではガンナーだけが有利で冗長な戦闘になってしまうため。(さらに味方から20m以上離れると支援魔法やヒールも届かないので、孤立した時万一狙われると超危険)
2’)《バッシュ》等が常用される戦闘バランスにおいては、ガンナーはレンジャー転職を経由しなければ戦力にならない場合が多く、レベルアップも遅れをとりやすい。(なおウォーリア/アルケミストの銃使いは少なく、飛び道具キャラでは壁役も務めにくい)
3)武器入手でスキル枠を食う割に、サムライの《トゥーハンドアタック》みたいなお手軽パッシヴ強化スキルも無い。(《ウェポンフォージ》で攻撃力を補おうとしたりすれば、更にドツボに嵌ります)
4)時間が限られるプレイ環境(特にオンセ)では全般的に戦闘回数が少なくなりがちで、MPをケチる必要性が薄い。MPを出し惜しみせずに戦うなら、他のクラスに大きく見劣りする。
5)上級職になるとウォーロードやエクスプローラーが安直に強く、ガンナーはスカウト一択でも非常に厳しい(GMが「いちばん強いPC」を基準に戦闘バランスを構築した場合は尚更)。

……といった風に、スキル自体だけではなくプレイ環境も逆風になって活躍できないことが多いわけですね。
逆に言うなら、毎回の戦闘がロングレンジから始まり、敵の数や戦闘回数が多くてMPのやりくりが厳しい卓であれば、ガンナーは大活躍できる……かもしれない、と。
しかし同じことをするならガンスリンガーで充分事足りてしまう、という実も蓋もない現実が。何より《ガンパード》に装備レベル制限がないのが決定的な差といえるでしょう。キャリバーの射程の短さはあまり問題にならないし、《ブレットレイブ》のおかげで近距離戦に強いことも考えると、ほぼ上位互換と言いきれるわけで……。
(まぁ「サプリの追加データが強い」のはTCGでも一緒だから、商売的にはアリだと思いますが)