『物語生成ツール』として見たTRPGの自由度は?

「ハー○イ○ニー観察日記」さんの記事に興味を持ったので、ちょこっと言及してみます。
http://d.hatena.ne.jp/tdaidouji/20060425#p1


たしかに最近の物語志向的TRPGシステムには「物語生成の為のルール」が定められることが多いので、何の制約もなく自由に話を作れるわけではないことは確か。特に「ジャンルの飛躍によるサプライズ」*1なんか、ゲーム的なストーリー制御を可能にするべくルールに盛り込まれた時点でサプライズでも何でもなくなっちゃいますしね。*2
ただ、様々なルールがあるからTRPGが不自由なのか?といえば、決してそんなことはないと思います。場に集まったプレイヤーに対して一定のルールとストーリーの方向性を提示し、最低限の共通認識を取りつけることによって、その枠の中では各参加者の自由意志を反映し、様々なバリエーションを楽しむことが可能。ルールや取り決めは、あくまでストーリーの強度や精度を保ちつつ、プレイヤーの介入や操作を容易にするために存在するというわけです。小説でも、破綻しないようにテーマやジャンルを絞ったから自由な発想が妨げられるというわけじゃないですし。
また、同じルールシステムや特定のプレイグループ内では同じような志向性のストーリーしか作れないのか?というのも、当然ながらNOです。なぜなら、シナリオ(エピソード)・キャンペーン・卓・鳥取*3といった構成単位ごとに毎回別々のストーリー生成ルールを決め直せばよいだけのことだからです。具体的にはシナリオ予告による方向性提示、ハンドアウトによるキャラクターの立ち位置決定、シナリオorシーンごとの特殊ルール提示など。これはGMから一方的に押し付けられるわけではなく、その気になればPL側からも提案・変更要求できるのがミソ。


ちなみに、純ファンタジーな舞台設定と小道具だけでもメタフィクションネタが再現できることは、こないだ体験しました♪

*1:学園ラブコメだと思ったらSFだった某世界を大いに盛り上げる団の話、ミステリだと思ったら異能者バトルだった某新青春エンタetc.

*2:……いや、例外的にガープス・タカヤ』なんてのはサプライズアタック可能かもしれませんが。「マーシャルアーツ」準拠の現代学園格闘キャンペーンを続けていて、ある日突然GM「今日からファンタジーのサプリを投入します。今までの技能は全て無効なのでヨロシク♪」なんて言われたらどうするよ?

*3:特定地域や友人グループの集まりを指す