「いいルールとは、縛りつけるものでなく、引き出すもの。」

今日のサブタイは某紳士服メーカーの広告から拝借しました。昨夜の『ヴァンパイア:ザ・マスカレード』キャラ作成用チャットで、その言葉をひしひしと実感したもので。

自分は『ヴァンパイア』やストーリーテラーシリーズについて全くの初心者で、GMが送ってくれたサマリー(カマリャリャの説明キャラ作成ルールの概要)を頼りに即席で組み上げていったんですが……ルールの機能美に思わず感嘆。基本的にはポイント割り振り制だけど、漠然と数字を弄るわけじゃなく
>能力の決定:「身体」「社会」「精神」の3分野に優先順位をつける。上位から順に7/5/3ポイントが与えられる。
>技能の決定:「才能」「技術」「知識」の3分野に優先順位をつける。上位から順に13/9/5ポイントが与えられる。
……といった感じで、価値基準や行動原理、物語の中で果たすべき役割や立ち位置を意識しながらキャラメイクが進むようになってるんですね。「優先順位をつける」というやりかたによって、各パラメータが無機的で独立した数字に成り下がることなく、相対的に有機的に結びつく……というか。終盤でポイント配分することになる「徳」も、迷った時の判断基準として大いに役立ちそうですね。と同時に、シナリオ内では葛藤の嵐が吹き荒れることも想像に難くないですが(笑)。
こんな風に、ルールを見ただけで「どんな話ができるのか、どんなキャラを演じられるのか」が鮮やかに目に浮かぶゲームっていいなあと思います。もちろん世界設定とも不可分に結びついてるし。
過去に出回った多くの”汎用”システムがイマイチだったのは、汎用を目指すがゆえに「何をやりたいのか」という指向性が弱かったせいなのかなあ……とか思いました。ソードワールドもファンタジー専門ではあるけど、ストーリー性皆無の状況再現ルールにすぎなかったし(なおかつ、「確率でドラマが生まれる」という言葉を過大評価している人も多いので個人的には眉唾。偶発的にドラマが生まれて盛り上がることがあるのは否定しないけど、ブレイクスルー系のギミック無しで「ドラマを”生む”」ことを期待して愚直にダイスを振るのは正直どうかと)。